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【特集】女性農業者 ホンネ座談会
女性農業者 ホンネ座談会
近年、農業界において女性の活躍が注目されています。
女性農業者は基幹的農業従事者の約4割を占める重要な担い手。
女性農業者のアイデアや視点は、今後の農業の発展に、新たな可能性をもたらします。
今回は、キャリア10 年以上の女性農業者4人に集まっていただき、女性農業者を取り巻く「今」や変化、これからの展望などについて2時間たっぷり語り合ってもらいました。
どんな風に変化してる?女性農業者の「今」
Q.まずは働く環境について伺います。
働き方にも多様性が求められる時代となりましたが、女性農業者を取り巻く環境は変化していますか?
駒野 私の勤める越路(長岡市)では法人の従業員に若い女性が、少しずつ増えてきていると感じます。今は髪色や髪形も自由なところが多いし、長〜いネイルしてる子もいますよ!自分がテンションを上げて仕事できるのは、良いことですよね。
佐藤 非農家の方にも、今の農業の自由な気風が伝わってとても良いと思います。越路は女性農業者増えているんですね。私の周りではあんまり実感ないな。
春日 まだまだ、男性が中心なことも多いですよね。飲み会とかの集まりなどは特にそうなんですよ。女性がもう少し多かったらいろんな話ができるのにと思います。
佐藤 すっごく分かります。それで私、「nowa」という女性農業者の団体を作ったんですよ。研修会や勉強会などを積極的に企画して、つながりを深めています。
※nowa(のわ) 佐藤さんが令和3年に立ち上げた、女性農業者や食や農に興味のあるメンバーが集うコミュニティ。会員数28人。メンバー同士の交流会や食農授業、マルシェなど活動を行っている。
女性ならではの強み対消費者で発揮
Q.昨今、各地で多くの女性農業者が活躍されていますが、農業をする上で女性ならではの強みを感じることはありますか?
徳坂 大口れんこんの試食販売をする時に、レシピや調理方法を聞きやすいという感想をいただいたことがあります。以前、大口れんこん生産組合の男性だけで試食販売したところ、試食した人が質問しにくい雰囲気だったと聞きました(笑)。やわらかい空気感は女性ならではだと思いますね。
佐藤 レシピに需要が多いのは感じますね。「nowa」でマルシェをすると、食べ方やお薦めレシピを聞かれることが多いんです。その面はもっと活躍できるかもと思っています。
春日 強みというか、農業委員会など行政も女性の参画を後押ししてくれる空気感が広がり始めていると感じます。そういった流れにも乗って、女性ならではの強みを発揮して行きたいですよね。
次世代の育成に向けて農業の多面性を知ってほしい!
Q.現在高齢化などで農業者の減少が続いていますが、新規就農者の増加や次世代育成に向け、必要なことは何だと思いますか?
佐藤 いろんな農業の働き方があることを知ってほしいですね。今は農業に携わりながら、デザインや営業面など得意分野を活かしている人がたくさんいます。外作業などの肉体労働だけじゃないことを、みんなにもっと伝えたい!
駒野 農業と言うとつらい、人が少ないなど何かとネガティブな話題が多いよね(笑)。まずは農家がポジティブに考える、捉える所から!うちには中学生の職場体験で、第一希望の職種を外れた生徒が結構来るんですよ(笑)。そういう子たちには、無理に農作業させずに料理や施設見学をしてもらい、いろんな面から農業に触れてもらう。そんなふうに心掛けています!
春日 それは絶対楽しい!やっぱり色んな経験をしてもらうのが大切だと感じます。以前小学校の稲刈り体験をした時に、農業に馴染みのない子が多かったんですよ。子どもたちの農業への興味が薄れていくのを不安に感じたので、若い世代が農に触れる機会をどんどん作っていきたいですよね。
徳坂 大口れんこん生産組合でも収穫体験をしているんですが、みんなやってみると、ドロドロになりながらキャッキャッと楽しそうに作業しています(笑)。実際にやってみると楽しいと思うので、どんどん体験してほしいですよね。
やっぱり気になる紫外線グッズ続々
Q.ところで、農作業と美容…女性にとっては気になる問題だと思いますが…
徳坂 紫外線対策は本当に大事ですよね。私も皆さんがどんな対策をしているか知りたかったんですよ。最近だと目へのダメージなんかが心配です。
佐藤 「ヤケーヌ」っていう耳までカバーできるフェイスカバーを愛用しています!すごくいいのでJAさんにはどんどん広めてほしいです!
春日 調べてみます!私も最初の頃はきちんと対策していたんですが、最近は正直対策を諦めていて…(笑)。
徳坂 スティックタイプの日焼け止めが手軽で、使ってます。片手で塗れるので結構便利ですよ!
明るい農業の未来へ向けて
Q.最後に、農業の明るい未来に向けて、今後の目標を教えてください。
佐藤 女性農業者と関わる研修や集まりなどを企画して、増やしていく。そういった流れを作りたいです。個人的にはウェア選びなど、自分が楽しくモチベーションを高めて作業できるようにこだわっていきたいです。
駒野 昨年から取り組んでいるんですが、自社の労働環境の整備です。早起きや残業が多い農家の体制を、必ず8時出勤、17時退社をするよう徹底しています。今ではみんな慣れてきて17時前に帰る人も出てきました(笑)。今年は私自身も残業を減らすようにして、役員になってもそういう働き方ができるという姿を見せていきたいです。
徳坂 どの産地にも負けないという自信をもって栽培している「大口れんこん」を、たくさんの人に知ってもらい、食べてもらいたいです。難しいかもしれませんが、飲食店での提供や学校給食など、PRの機会をどんどん増やしていきたいです。
春日 地域の皆さんから愛される会社になることが目標ですね。地域の人と集まるのが好きなので、作業所に地域の拠点になれる場所を作りたいですね。最近だと、地域の除雪の手伝いなどでつながりを深めています。
女性農業者の「リアルボイス」、いかがでしたか?
今後の農業の発展や地域経済の活性化には、生活者の視点や多彩な能力を持つ女性農業者の力が欠かせません。
農業の未来のために、ぜひ応援をお願いします!

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