会長からのメッセージ⑮
年度末から新年度へ
本日令和7年1月31日、JAえちご中越は令和6年度の年度末を迎えております。
そして明日、2月1日からは令和7年度がスタートいたします。
以前の投稿でもお伝えいたしましたが、令和6年は過去最低の品質低下に見舞われた令和5年産米からの品質V字回復を第一に掲げて、JAと組合員生産者が一体となって取り組んだ結果、みごとに県下でもトップクラスの1等米比率を確保出来ました。
残念ながら、品種によっては収量を落としたものもありましたが、生産者と共に努力した結果にホッとしたことを覚えております。
ただ、コメの端境期である6・7・8月と売り場からコメが消えるという不可解な現象がおこり、残り僅かな5年産米と収穫間近の6年産米の争奪戦の様相を呈する異常な状況となりました。インバウンドの急増や品質を落とした5年産米の精米歩留まりが低かったことも不足の一因と言われています。
・・・その後の経過はご存じのとおりです。
政府が公表した令和6年産米の作柄概況が「平年並み」と発表されたものの「不足感」を払拭出来ずに今も米価の高騰が続き、消費者のコメ離れが囁かれる現状であります。
先般、農水大臣が「備蓄米の運用を検討する」と発言したことや、各県の令和7年産主食用米の生産目標を「需要に応えるため」と増産の方針を打ち出したことなどから、今後の米価水準がどう動くのか注目が集まっています。
過去から需要に見合った主食用米生産を呼びかけて来たなかで、需給のバランスは余れば下がり不足すれば上がると当たり前に承知はしておりましたが、今回の「令和のコメ騒動」では、報道の影響力と商機あらば”なりふり構わず”食料安全保障など目をくれない勢力の多いことに強いショックと憤りを感じました。
誰が儲けているのか。
現在の店頭価格ほど高くコメを売った生産者はいないハズです。
当JAは主食用米以外も合わせれば7~8万トンものコメを集荷することから、生産者が再生産可能な価格で、えちご中越米を年間通じて安定的供給するという自覚を持って取り組んで参りましたが、集荷では「買い負け」(高い価格の業者にコメが流れた)、販売でも「売り負け」(集荷量が少なく交渉力が低下)という状況となっています。
とはいえ、JAを信頼し出荷頂いた6年産米。消費者の理解を求めながら、高品質を武器に農家手取り最大化に向けて販売に取り組んで参ります。
すでに各市町村再生協から令和7年産米の生産目安の配分が始まっております。
過去何度も経験してきたように需給が緩めば米価は大きく下落し、その回復には長い期間が掛かります。
その間、稲作が続けられますか?
下落した米価で後継者は育ちますか?
上がった米価を下げない為にも、需要に見合った生産とJAへの結集にご理解とご協力をお願い致します。
大粒の雪が静かに舞い落ちるなか、気持ちを新たに新年度を迎えて参ります。
新年度もよろしくお願い申し上げます。
令和7年 1月 31日
JAえちご中越
経営管理委員会 会長
𠮷田 文彦