会長からのメッセージ⑨
秋の気配
あらゆる気象記録を塗り替えて通り過ぎた令和5年の夏。9月に入っても相変わらず日中の30℃超えは続いていますが、空に雲が広がり朝晩のさわやかさは日増しに秋を感じさせてくれるようになりました。
みなさんは稲刈りの匂いってわかりますか?草刈りした後とは明らかに違う稲刈りの匂い。(笑)
その昔は稲刈りの匂いとともに車の運転に支障が出るほどの藁焼きの煙が秋の風物詩でもありましたが、今は稲刈りの匂いだけになりました。
さて、9月1日になんかん南低温倉庫で行われた初検査に参加してきました。
もちろん、えちご中越管内では柏崎の「葉月みのり」がすでに検査を済ませておりますが、例年の行事としてプレスリリースし、テレビ・新聞など9社ほどが取材に来ておりました。
この猛暑による今年産米の品質低下に注目が集まる中、一時間ほど検査が進んだところで代表検査員が「検査結果から高温障害が散見された」と講評がありました。
「なぁ~に、平年でも2等米はある・・・」と思いつつもさすがに一等米比率12%となると過去の嫌な思い出が脳裏をかすめました。
遡る令和元年にも全国的な猛暑で、現えちご中越管内の越後ながおか・越後さんとう・なんかん・柏崎の各JAが揃って等級比率を下げたという経過もあり、「ひょっとして今年もかぁ~」と。
幸い、この日の検査では3等・規格外は出なかったことから「今後に期待する」と取材には答えておきましたが、令和元年の年は2等が3割、3等が6割!規格外が数百トンという散々な成績でしたから、心の底から「今後に期待」と思いまた念じたところです。
その成績を持って卸を回るトップセールスは心の重い上京でもありました。
「なったものはしょうがない。どう売っていくか力を合わせて行きましょう」取引先に掛けて頂いた言葉に胸が熱くなったことを忘れません。
昨日もJA全農にいがた主催の新潟米懇談会が開催され、県内外から20社の大手コメ卸が出席されました。
主催者あいさつに続いて、副知事からも歓迎と販売促進への協力依頼のごあいさつがありました。その後、米穀情勢や作柄概況、今年産米の販売方針などが説明され、卸との意見交換に入りました。
検査の状況からある程度の傾向や想定は言えても、まだ検査の進捗は数%台であり、確定的なことは言えない時期での懇談会はハッキリ言って歯切れの良いものではありませんでした。
特に今年は、生産コスト上昇分を価格転嫁したい生産者側と、生産現場の窮状に理解を示しながらも、消費減少を心配するコメ卸の思惑が入り乱れる?難しい年でもあり、総じて「小売りと消費者の理解促進に力を合わせて行かなければならない」との意見が多く出されました。
新潟米の宣伝キャラクターにはラグビーワールドカップ日本代表の稲垣啓太選手を、新之助のCMキャラクターには歌舞伎役者の八代目 市川 新之助を昨年に引き続いて起用し消費拡大を図って行くと発表がありました。
梅雨明け後、まとまった雨が無い異常事態に、今圃場でやれることはありません。
適期刈り取りと丁寧な乾燥調製作業をお願い申し上げます。
令和5年 9月 5日
JAえちご中越
経営管理委員会 会長
𠮷田 文彦