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2025/07/09

今年のコメは?

 今年のコメは?

 

 6月10日に梅雨入りした県内ですが、梅雨らしい雨はほんの数日。このところは気温も上がって圃場では中干しから穂肥の時期となりました。

 

 今年は4月、5月と不安定な天気が続いたため、生育は遅れ気味。生育調査でも茎数は少なめの結果となっています。ただ、ここに来て気温が上がっていることで、管内全体的に草丈が指標値を超えてきております。

 適時・適切な穂肥と水管理の徹底が必須です。

 このまま梅雨が明け高温が続くようでしたら、後期栄養の確保も品質・収量確保に欠かせない事項です・・・と指導員の話をそのまま書いてみました。

 

 私も出勤に一時間程度掛かるため、毎朝早く同じ時間に圃場に行って稲の状態を確認するようにしています。

 中干しを終えて水を掛けた翌日、翌々日では稲の顔色(?)も微妙に違いますし、穂肥を打った早生でも時間の経過とともに葉色の違いが見て取れます。また、カメムシ対策と信じて畔草もこまめに刈るようにしていますが、当たり前にやってきた作業が年々辛くなってきました。それでも、今年も品質の良いコメが収穫できるよう続けています。

 

 一方ここ最近、取引先の産地訪問が増えてきています。

 「コメ余り」と言われていた頃は産地側が取引先を訪問することが当たり前でしたが、昨年のコメ不足以降「今年のコメは?」と産地を訪ねて頂く機会が増え、さらにほとんどの場合、圃場へも足を運ばれます。

 昔話になりますが、バブルの頃もこんな感じでした。

 大手コンビニのマーチャンダイザー(商品企画から販売戦略までをトータルに管理する担当)とバイヤー(仕入れ担当)が、当時の小さなJAまで訪問され「今年もぜひ取り引きを」と今では夢のような殿様商売が普通の頃でした。

 「余っている」と「不足」は、”売ってくれ”と”買ってくれ”の差と同様に「これほど違うんだ」と実感しています。

 昨日も生協の方々と卸の方が10名ほどでJAを訪問して頂きました。懇談の中で、コメ不足の中でもいわゆる備蓄米は取り扱わず、安全と美味しさを求める生協組合員の希望が多く、長年コメを通して付き合いのある当JAに「集荷の手助けになるなら生産者訪問も行いたい」と有難い提案も頂きました。昨年来コメが不足し、抽選でコメを生協組合員に届けているとのことで、抽選に漏れた方からお叱りを頂くこともシバシバであったそうです。

 その一方で「高いけど今までの価格が異常だったのかも。生産者の方のことを考えると、今の価格が適正なのかも」との意見もあったそうです。

 作る側からすれば「高ければ高いに越したことはない」、買う側からすれば「安全なコメを出来るだけ安く」と言うことになりますが、生産あっての消費者であり、消費者あっての生産。再生産可能プラスαで消費者も理解頂ける米価でなければ、いずれ需給関係は破綻し、買う側と作る側の論理で価格の安定は望めなくなるものと思います。

 備蓄米80万トンが放出され平均店頭価格が低下するなか、今年の秋はこれまでの米価高騰から「潮目が変わる」秋になるというのが大方の見方となっています。

 何度も書きますが「再生産可能プラスαで消費者も理解頂ける米価」で7年産のスタートを切って行きたい。

 そして一年を通して安定的にえちご中越産米を待っている消費者に供給したいと強く感じた次第です。

 

 今、長岡は32℃です。

 水分補給、熱中症対策を万全にご自愛ください。

 

 

令和7年7月9日

JAえちご中越

経営管理委員会 会長

𠮷田 文彦